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2008年02月02日

天満の中国人、この国で生まれた幸せ

天満市場は、薄暗い通路に無国籍感漂う商店が群れをなしていた戦後の闇市の名残が残る市場であった。
何年前であったか、改装され、奇麗なショッピングセンターと化すかと思ったが、建物は奇麗になっても、周りの街並の雰囲気はなかなか消えないものである。
私は少しホッとした。

天満市場の周りには、片言の中国人の店員がいる飲食店が多い。
十数年前であれば、古くからの在日中国人以外の片言の中国人の店員等、中華料理屋で見かけるくらいであったが、最近では中華料理屋よりも串カツ屋、焼き鳥屋などで、より見かけるようになった気がする。
広島焼きの店で、中国人の若い娘が鉄板の前に立ち、上手に、生地をひっくり返していたのも見た事がある。
私が知る限りでは天満の中国人は実は朝鮮族が多いという事であったが、確かではない。

昔、大江健三郎が、戦前アメリカに渡った日本人たちに対して、「彼らは群れをなしている」と馬鹿な批判を行った事があった。

群れをなそうが、なさまいが、外国に渡った人たちの連帯感や孤独を「群れをなす」という言葉で片付ける大江健三郎の言葉は私には理解出来なかった。

にんにく、いわし、すじ、こんにゃく、どて…串カツ屋で中国人の店員が片言の日本語でオーダーを復唱していた。
中国人の多いこの繁華街でも、彼らが対するのは日本の酔客である。

日本語の教科書に載っていない市井の言葉を日々繰り返す彼らが、日本を好きでも嫌いでもどっちでも良いのだが、日本で過ごす日々が少しでも忘れられない想い出に成ってもらいたいと私は思った。

串カツ屋で中国人の店員に生ビールの追加を頼む際、朝鮮族の彼らにハングゥマルが伝わるか試したくなった。
「センメッチュチュセヨ」と片言の韓国語で話しかけた私に「ハイ、ナマビールデスネ」と中国人の店員は微笑んだ。
彼らが朝鮮族かどうかは、もう関係なかったが、ふと祖父母の事が頭に浮かんだ。

日本に渡ってきてくれてありがとう。

ハラボジ、ハルモ二の苦労を想像しながら、この国で生まれた幸せに感謝し生ビールを飲み干した。

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posted by shingol at 21:16| 大阪飲食ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする